松江支部
松江支部4月例会
経営者は孤独ではない!
~社員との信頼関係で逆境を乗り越える~
開催日程:2016年4月12日
報告者:原 久子 氏
報告者:原 久子 氏 エステサロンPURLY 代表
<報告>
男性優位の建築設備の会社で働く中、『女性としての幸せと、働く喜びとの両方が欲しい!』との思いから脱サラし、起業したものの、仕事と家庭の両立とは程遠い毎日。一人では限界があると雇用を決断。サロンの移転、仲間や取引先との別れ、次々と現れる逆境を社員と一緒に乗り越えながら、商売人から経営者への挑戦を続けられています。経営者が一人で立ち向かうのではなく、全ての社員が力をあわせて会社を良い方向に動かす。
そのために不可欠な社員との信頼関係の構築についての実践の報告でした。
<内容>
産休・育休の制度が整っていた設備会社勤務時代、同じ年の女子社員が復職してからの働き方をみると、とても自分はこの会社で働き続けられないと思い、母の背中を見ていた関係で美容に興味がありエステサロンとして起業。
開業後人手が足りず初めての雇用をするも、1~2ヶ月で独立したいと云われ、借金とさばけない仕事量で、辞めて欲しくない自分と独立を応援したい感情とで悩む。プライベートも朝ご飯しか家族と一緒に過ごす時間がなく、自分がやりたい事と上手くいかない現実のギャップに悩む日々。お客様が一番だということを家族だから理解して欲しいという、自分の勝手な思いを許してもらえていた。
出雲支部で報告をする機会があり、女性がやりたい事を我慢しなければいけないような現状をなんとかしたいとの思いが、女性を応援したい気持ちに強く働いていたと自覚する。当時サロンをスタッフにまかせて外出するのが不安で、自分一人でやるのが間違いないと思っていたが、社員が主体的に動けないのは自分の頭の中にしか理念がないことに気付き、経営理念を作成することに。理念を浸透させる為にミーティングをしたが社員からアイデアが出てこない。売上を上げる為の戦略を皆で考えようとしたが意見が出ない。社員が安心して技術を提供できなくてはお客様の幸せはないの言葉を受け、胸に突き刺さる。お客様の幸せを優先させるあまり社員の幸せをないがしろにしていたことで、社員を人手と思っていた為の雇用で、すぐ辞める。社員は同じ夢や目的を共有するパートナー・同志であると自分は出来ていると思っていたが、実際は出来ていなかった。
◎気付き
・今まで社員にお金に関することをまかせていなかった。
・自分でないと駄目だと勝手に思い込んでいた事を手放すことで社員が成長した。
・少数精鋭で業務をすることが良いと思っていたが、ぎりぎりだとお互いが助け合えない。
・今まで送り出す側から自分が休む側になって初めて休む気持ちがわかった。一人の頑張りではなく皆の助けで実現させる為、未経験者を雇用し一人前にすることで社員が共に成長する。
就業規則も社員と一緒に作成する決意をする。
<討論まとめ>
社員と信頼関係を構築するにはどうするか?
やる事を可視化し、やらない事を決めて一点集中する。
経営者と社員の理念の共有化だけではなく、この会社で何をしたい、どうなりたいの思い(社員の参画意識)を経営者が聞き、それを具体化する仕組み作りが大事である。
<感想>
さまざまな難局でも「どうしたら乗り越えられるか」という強い積極的思考に共感しました。コミュニケーションは相手に対して関心を持たないと成り立たない為、原さんと社員さんがプライベートに関してもお互いが言い合える環境づくりにうらやましくも思います。
記録:加藤満英