松江支部
松江支部3月例会
「社員は道具」からの大転換!
~社員と共に新市場への挑戦~
開催日程:2014年3月11日
3月例会案内
報告者:福田 圭祐 氏 ソーイング クト 代表
<報告>
ソーイングクトの福田氏は、創業以来、外国人労働力と省力化によって売上を伸ばしていった。
しかし外部環境の変化もあり2002年を境に、売上は徐々に落ちていき、2010年にはいつ自己破産してもおかしくない状況に陥る。
「自分ができることは?」「何をしないといけないのか?」このとき初めて考え直される。
その後経営指針成文化を機に少しずつ「社員との信頼関係」の重要性に気づかれ、「経営指針の実践」の取り組みに付いて報告いただいた。
<内容>
2001年1月1日に大手ミシンメーカーを退社し家業である縫製の仕事を継ぐために島根に帰って来られた福田氏は、2工場のうち1工場を引きつがれました。
縫製の仕事は衰退産業ではあったが、どうにかなるだろうという自信はあった。
そして大手の仕事をより安く行うために外国人労働者の雇用を始め、同業者の仲間と組合をつくり、外国人の雇用を多数おこなう。
日本人よりはるかに安い賃金で雇用ができることで、価格競争にどうにか立ち向かっていった。しかし、その時の福田氏は「社員は道具」としかみておらず「変わりはいくらでもいる」くらいの感覚で社員さんと接していた。
そんな安い人件費を武器にどんどん仕事を取って行くが、やればやるだけ利益が出なくなる。赤字になってしまうようになる。
そんなときに組合内の他社で雇用していた外国人労働者のトラブルが発生した。福田氏は広島の機関から呼び出しがかかり指導をうける過程で、外国人労働者の雇用が出来なくなってしまうことを知る。
その後大手からの仕事は回ってこなくなり、売り上げはどんどん減り資金繰りも悪化。自己破産寸前まで追い込まれる。
銀行の担当者からの一言でこのままではいけないと奮起。自社で出来ることや自身が良いと思ったことはなんでもやる!という考え方にかわる。
そんな中地元の各アパレルショップなどから直接「こんなもの作れる?」という相談が入る。そこから、いつくかのショップよりオリジナル服の相談が入るようになる。自社の技術力の高さに気づく。
どんなに困難な状況になってもこの仕事を続ける理由は「縫製が好き」だから。そして同友会にて経営指針を作成。今までの考え方が180度変わる。
社員さんこそ財産という思いに至る。現在では新商品開発や新分野への挑戦など正に社員と共に挑戦を続ける会社をつくっておられる。
<感想>
同友会の仲間などと一緒にいると、当たり前になってくるのが「社員は財産」という考え方。しかし、社員は道具と思っている会社が多くあるのも現実。ひとつでも多くの会社が社員は財産と位置付け、人材育成に取り組んでほしいものです。
零細企業が生き残っていくためのヒントも多くあったと思う。正に衰退産業の中での生き残り方としては同業者が嫌がる仕事やめんどくさい仕事、特別なスキルがないと出来ない仕事にこそ磨きをかけることが、これから生き残っていく術であると思う。
直接ユーザーの声を聞き、そして活かす。これこそ正に一番重要なことである。
<課題>
・報告者の発表時にハンドマイクを持ってしゃべってもらうようにした方がよい。
・社員さんからも意見がもらえたらより良かったかと。