松江支部
松江支部12月例会
『大いなる成り行きにして、その時々を一生懸命に生きる』
〜コンサルタントから障がい者支援事業の経営者へ、その時組織は?社員は?〜
開催日程:2016年12月13日
報告者 田中 氏
報告者:田中 隆一 氏 特定非営利活動法人
プロジェクトゆうあい 事務局長
<報告>
プロジェクトゆうあい・・・2004年7月設立。2015年度には総売上1億3千万、スタッフ96名を抱えるNPO法人。主な事業の柱は障がい者就労支援、放課後等デイサービス(2012年にスタート)等々である。事業の構造は給付事業(補助金事業)が80%を占める。障がい者就労支援事業の仕組みは人数×日数が給付金の基礎となるが、プロジェクトゆうあいは他の就労支援事業を行っている法人と比較して、働くメニューが多いことが特徴である。
田中隆一氏の経歴・・・神奈川県に生まれる。大学は建築学科(一級建築士と技術士資格有)。大学卒業後、80名ほどのデベロッパーに就職するも、社長の突然の逝去で会社解散。縁あって前職のコンサルタント会社に就職。松江との縁はそのコンサルタント会社でのプロジェクトがきっかけ。プロジェクトゆうあいとの出会いをきっかけにコンサルタント会社を離職。四男がダウン症で、そのことが放課後等デイサービスをするきっかけにもなったとのこと。
同友会での学び・・・事業を伸ばし、就労者が増え、多くのスタッフを抱えるうちにマネージメントの必要性が出てきた。同友会の門戸をたたき、経営指針作成後、経営指針を発表。現在は新卒採用を積極的におこない“ゆるぎない組織作り”に邁進中。
これからのプロジェクトゆうあい、自分・・・障がい児のデイサービスでの虐待事案が発生した。起こした職員は辞め、市役所の調査も経験した。現在は被害者との関係も修復された。「今回の事案ではびくともしなかった。それだけゆうあいの組織が強くなった。これからも日々子供達のことを考え続けることが大事」
この先の目標として・・・世の中の仕組みをよくするために事業を組み立てる。それと同友会と障がい者就労のコラボレーションにも取り組みたいと締めくくられた。
<討論テーマ>
社員の信頼に足りうる会社かどうか?・・・私の班では信用できる会社とは何か?どうなっていたら信用されている会社と言えるか?(信用度のバロメーター)について話し合い、最終的にその状態に持っていくために頑張らなければいけないという結論に至った。
<感想>
NPO法人と企業の差とは何か?NPO法人の定義・・・「社会的使命の達成を第一の目的とする。」「利益は分配できない。」もちろん企業は存続のために利益を出すことが求められるが、社会的使命の達成を第一の目的とする。という定義はそのまま企業の理念そのものと言えるのではないかと感じた。また給付金が売上の80%を占める中、その現状に満足せず次々と事業を展開する姿勢は、一般企業となんら変わらない。むしろ企業の経営者の先を行く経営者であると感じられた。